コラム「トランプ法廷」⑤
- 【前回⑤を読む】タブロイド紙会長が明かしたトランプ氏との蜜月 内幕を赤裸々に証言
予想以上に「おとなしい姿」に見えて驚いた。法廷でのトランプ前大統領である。
2日、米ニューヨークの裁判所での様子だ。トランプ氏が元不倫相手への「口止め料」を支払い、隠すために業務記録を偽造したとされる事件の審理が4月から続いている。
鮮やかな紺色のスーツに金色のネクタイ。今にも大演説を始めそうな服装でトランプ氏は法廷に現れた。
そこからがこれまでテレビなどで見てきた光景と異なった。何度か隣の弁護士と耳打ちする場面もあったが、審理があった計約5時間半の大半は長机のいすに腰掛け、じっと話を聞くだけだった。
法廷にはわずかな人数の記者しか入れないため、私は80人近いほかの記者と、法廷の向かいにある「オーバーフロー・ルーム」で大型モニターを通して様子を見ていた。いすに座っているトランプ氏は明らかに不服そうで、退屈そうにも見えた。
トランプ氏はこの裁判中、水…